この雑誌について
意思決定者のためのマネジメント総合誌
出版社/著者からの内容紹介
Feature Articles
「公器」の経営
【2006年マッキンゼー賞受賞論文】
「受動的」では価値を創出できない
競争優位のCSR戦略
ハーバード・ビジネススクール 教授
マイケル・ポーター
ハーバード大学 ジョン・F・ケネディ行政大学院 上級研究員
マーク・R・クラマー
CSR(企業の社会的責任)は、贖罪や保険であってはならない。むしろ、より積極的な態度で臨むことで競争優位の源泉になりうる。すなわち、数ある社会問題のなかから、企業として取り組むことで大きなインパクトがもたらされるものを選択し、これを踏まえたうえでバリューチェーンと競争環境を改革することによって、企業と社会双方がメリットを享受できる活動を展開するのだ。ネスレ、トヨタ、マクロソフト、GE、ホールフーズなど、「受動的CSR」を超えて、「戦略的CSR」を推し進めることで、新たな競争優位を築き、持続的成長への道を拓きつつある企業がある。本稿は2003年に掲載された「競争優位のフィランソロピー」をさらに発展させ、企業は社会とみずからの競争力、両方に益するイノベーションをもたらすべきと説く。
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現状投資に意味はない
破壊的イノベーションで
社会変革を実現する
ハーバード・ビジネススクール 教授
クレイトン・M・クリステンセン
ニュー・プロフィット CKLO
ハイナー・ボーマン
コラボレーティブ・イノベーション・サービス 社長
ルディ・ラグルス
CA バイス・プレジデント
トーマス・M・サドラー
社会問題への取り組みがさまざまになされているが、残念ながら不本意な結果に終わっているものが少なくない。ここに「破壊的イノベーション」の考え方を導入することで、新たなソリューションが生まれ、これまで以上のインパクトが期待できる。そのようなソリューションを、本稿では「触媒的イノベーション」と呼ぶ。ヘルス・ケア分野の「ウォークイン・クリニック」やグループ医療保険、教育分野におけるeラーニングやコミュニティ・カレッジ、発展途上国の経済開発におけるマイクロ・ファイナンスなどはその典型である。本稿では、触媒的イノベーションを成功させる5つの要件を踏まえながら、社会改革を引き起こしたイノベーション事例を解説する。
BOP市場を開発する
企業とNGOの共創モデル
コンサルタント
ジェブ・ブルーグマン
ミシガン大学 スティーブン・M・ロス・スクール・オブ・ビジネス 教授
C・K・プラハラッド
発展途上国が経済開放を進めるなか、企業とNGOは、かつての対立から一転して、「共創」関係を築きつつある。それは、経済的底辺である「BOP市場」を開拓するには、企業はNGOの能力や地域社会との人脈と信頼を欲しており、またNGOはこのBOP層の改革を推し進めるには、企業の経営資源やノウハウが不可欠だからである。テレノールとダノン、マイクロソフト、ABNアムロ、エクソン・モービル、BP、ICICIなどの事例を引きながら、企業とNGOの新しい関係によって、貧困層の生活を一変させるビジネスモデルが実現した事例を紹介する。
日本の企業家一三人の信念
社会とともに
編集工学研究所 所長
松岡正剛
二一世紀を担う人づくり
ソニー 創業者
井深 大
障害者の社会参加
オムロン 創業者
立石一真
共生のマネジメント
元キヤノン 会長
賀来龍三郎
技術は人間にとっての手段にすぎない
元日本電気 会長
小林宏治
障害者福祉の「非常識」と闘う
元ヤマトホールディングス 会長
小倉昌男
清く、正しく、美しく
阪急グループ 創業者
小林一三
個人は質素に、社会は豊かに
元東芝 会長
土光敏夫
新しい経営理念とは何か
元日本興業銀行 会長
中山素平
経営者よ、正しく強かれ
トヨタ自動車 取締役相談役
奥田 碩
低公害エンジンは企業本位の問題ではない
本田技研工業 創業者
本田宗一郎
民間女子教育機関の「生みの親、育ての親」
実業家
渋沢栄一
企業は社会の公器
松下電器産業 創業者
松下幸之助
利己のためではなく、社会のために利潤を追求する
京セラ 名誉会長
稲盛和夫
「企業戦略の父」が説く
企業倫理の道
元ハーバード・ビジネススクール 名誉教授
ケネス・R・アンドルーズ
SWOT分析の提唱者として「企業戦略の父」と呼ばれるアンドルーズは1989年(当時のアメリカは、金融や軍需、行政への不信感が広がっていた)、企業倫理を説いた書籍の編纂を担当し、その序文のなかで、株主価値や利潤の極大化だけが企業の存在理由ではないと警告した。本稿はその序文を推敲したものだが、アンドルーズはだれもが企業組織に身を置くと、道徳心が失われやすいため、組織としてその維持・向上に努めなければならないと説く。それは、倫理綱領を策定し、経営陣が範を垂れるだけでは十分でなく、企業戦略において具体的に反映されなければならないと訴える。
認知心理学の権威、ハワード・ガードナーが語る
ビジネスマンは道徳心を失いやすい
ハーバード大学 教育学大学院 教授
ハワード・ガードナー
ハワード・ガードナーは、人間は複数の知能から成り立っているという「多元的知能」の概念を提唱した認知心理学の権威である。ガードナーは、いまこそビジネスマンはおのれの道徳心を高め、なあなあの関係を改めるべき時期に来ていると訴える。しかし彼は、ビジネスマンは道徳心を失いやすいとも指摘する。ビジネスマンは厳密には「プロフェッショナル」ではなく、したがって、職業道徳を教え込むメンタリングの仕組みもなければ、免許も必要でもなく、単なる職業上の選択肢の一つであるため、いかに倫理観の高い人でも、道を踏み外しやすいと言う。なぜビジネスの世界では、道徳心が失われやすいのか、どうすればそれを育み、また自己欺瞞に陥ることなく、高い倫理規範を実現・維持できるのかについて語る。
「社会起業家の父」が語る
社会起業家の育て方
アショカ 創設者兼CEO
ウィリアム・ドレイトン
2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏が、貧しい自営業者に資金を融資する目的で、バングラデシュに設立したグラミン銀行は、いわゆる「マイクロ・クレジット」の先駆けとなり、貧しい人々の経済的自立を助けた。1981年にドレイトンが設立したアショカという支援組織は一五年にわたって彼が成功するように支援してきた。この組織は、社会の重要な問題を解決に導くために、新しいアイデアを考案し、不屈の精神でその実現に向かって進む社会起業家を支援する組織だ。創設以来60カ国以上で活動し、支援した社会起業家は約1500人、合計で4000万ドルを提供してきた。起業というのは、それがビジネス分野であろうと、社会への貢献であろうと、新奇なアイデアを発案し、それをアイデアだけに終わらせずに、実行し、実を結ばせるという点で同工異曲である。
民間援助機関とのパートナーシップのつくり方
災害援助とCSR
フリッツ・インスティテュート 共同創設者
アニシャ・トーマス
フリッツ・インスティテュート 会長
リン・フリッツ
2004年に170万人が被災した、スマトラ島沖地震とその津波は、民間企業が人道支援に関わるうえで一つの転換点になった。世界中から史上空前の金額と善意が寄せられたが、こうした反射的反応は、被災現場を混乱させ、逆効果に終わることもある。この事態は、民間企業と援助機関の協力体制に多くの欠陥があることを露見させた。災害発生時に、企業が援助に乗り出すのは好ましいことだ。だが、コカ・コーラやファイザー、TNTなどの企業のように、あらかじめ援助機関と連携し、実際に災害が起きる前に援助計画を策定しておくことのほうが、その何倍も好ましい。
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